どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
すぐに納得してあっけなく終らせてしまったのは本心を聞くのが怖かったから
それと思う一つ。
星野くんの言葉に反論できなかったから。
もしかしたら、そうなのかもしれないと思った。
助けてくれたこと、嬉しかったことがいっぱい重なって
王子様みたいに見えて、好きだと勘違いしただけなのかもしれない。
「いたいた、心。
上履きも犯人も見つかって、一件落着だね」
「うん、色々ありがとね。
佐野くんも星野くんも」
告白ってこんなもん、なんだ。
もっとみんなの前で発表する時みたいに緊張するものだと思ってた。
言うぞ、言うぞって意識して言うものだと思ってた。
こんなにポロっと出ちゃうなんて。