どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「なんで!そんな気持ちじゃなかったじゃん」


「だって……実際、あんなに簡単に告白しちゃったんだよ?

彼女が本当にいるのかだって聞いてない

告白の言葉も考えてない、そんなんで言った気持ちって本当に好きだって言えるのかな?」


これは、私が勘違いしたニセモノの恋だ。

カッコイイ、優しいが好きなんだと思ってしまっただけ。



「違うよ、心……」


すると理沙はつぶやいた。



「告白は準備して、意識して言うものと

無意識につぶやいてしまうものがあるんじゃないかな?」


歩きながら、自分の足元を見ていう理沙。

私達の足音が響く。



「だって好きって気持ちを言葉にしたら、それはもう告白でしょ?」


……そう、だ。

好き、言いたい、伝えたい。


それが積み重なって出た言葉。







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