どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
そんな話を誰かに聞いてもらいくて放課後理沙に話しかけたのに
「ごめん、今日は周ちゃんがここまで迎えに来てくれるから
一緒に帰れないんだ。本当ごめんね~」
うう……。
こうなっちゃうなんて。
仕方なく、私は帰る準備をして一人校舎を出ると
夕焼けで空が赤く染まる中とぼとぼ歩いた。
すると
「心ちゃん発見~!!」
後から陽気な声が聞こえてくると共に肩を叩かれる。
振り向けば、それはスクールバックを背中にしょっている佐野くんだった。
「心ちゃん、一人?
珍しいね」
「うん、佐野くんも一人、珍しいね」
いっつも女の子と帰っているイメージが強いから。