どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「帰るぞ」
「うん」
カバンを持って立ち上がり、一緒にクラスを出ると
少し周りはざわついていたけれど大丈夫。
だって私には大事な友達がいるから。
何かあったら助けてくれる。
逆にその子に何かあったら全力で助けたい
そういう人がいるから大丈夫なんだ。
校舎を出て、2人で歩いていると
特に意味のある話しをしていなくても楽しかった。
「で、数学の鬼教師がねこの前
お前は鈍くさいからって言ってきて……」
「あのさ、松山。」
私がたわいもない話をしていると
星野くんはそれを遮って言った。