どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
*少しの本音
「ねぇ、怒ってる」
「べっつにー」
口を膨らませながらそう答えると
星野くんは本当にごめんと頭を下げて謝って来た。
別に、星野くんが悪いわけじゃないって分かってるけど
やっぱりちょっと寂しかったんだもん。
でも、いいや。
私にはこれがあるから。
星野くんのポケットから出たキーホルダがチラリと見えて
私はすぐに機嫌をよくした。
「次はちゃんといてよ。
最後まで……」
小さくつぶやくと星野くんは「おう」と笑った。
「電話の子は平気だったの?」
あんなに慌ててたから少し気になって聞いてみると