どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
これからもうちょっとここでゆっくりして、サッカーして
それで手を繋いで帰りたい。
「星野くん……」
「ん?」
「行って、いいよ」
だけど、私はそう言った。
「何で、いいよ」
だって気になってるって分かるから。
向こうに電話を切られて何があったか分からなくて、心配してる。
その気持ちを無視しようとする事は簡単に出来るけれど
そんな事をしてまで自分だけが楽しい思いをしたくない。
「私は平気、行ってもいいから……」
スムーズには出て来なかったけれどちゃんと言えた。
「行ってもいいよ」