どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



「マジか、じゃあ俺も一緒に探すよ!」


「ありがとう」


佐野くんはそうやって言ってくれた。

手分けして教室中を探してみる。


棚の間とか、ゴミ箱とかまで探していると

ふと佐野くんが言った。


「心ちゃん、今日どうしたん?」

「え?」


「朝、元気無かったろ?

みんないない時なら言いやすかなと思ってさ」


佐野くん……。

その優しさに今は寄りかかりたかった。


「私ってちゃんと星野くんの彼女でいられるのかなって

すごく不安になるの。

電話が来て彩花ちゃんのところに星野くんが向かってしまうと

すごく空しくなる。」



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