どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


ドクンと心臓が低く胸を打つ。

嫌な予感がした。



「それでね、私の大好きな人なの」


その予感はぴたりとあたった。

毎日呼びだされる星野くん。

佐野くんはあまり呼びだされていないのに

星野くんだけは必ず携帯がなる。


その理由は単に寂しいからとかではない。

星野くんが好きだから……。


「心ちゃん、私と翼は同じなの

心ちゃん達とは違う世界にいるんだよ

決してそっちにはいけない寂しい人間なの」


同じ人なのに、違う世界にいるなんて


そんなの、分からない。

だっていつだって星野くんはここにいる。



「だからね、はっきり言う。


翼と別れてほしいの」




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