どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


病院の外の隅っこに立って彼を待っていると

星野くんは15分くらいしてやって来た。


「ごめん、やっと離してくれた」


「うん……」


顔、見られないや。


「何かあった?」

私の様子に気付いたのか星野くんは問いかけてくる。

その優しい声に私はかけよって抱きついた。


ぎゅうー


「星野くん……」

「わ、どした?」


彼の温もりを感じれば安心する。

すぐ近くにいるんだって

今目の前にいるんだって思えてほっとする。


「タピオカ飲みたい……今飲みたいよ……」


< 215 / 422 >

この作品をシェア

pagetop