どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


佐野くんの面白い口調に私は少し笑った。


「ふふ、私もそう思えて来た」


私が単純なのか、それとも佐野くんの説得力があるのか

どちらにしても佐野くんと話すといつも元気が出るんだ。


「ありがとう、佐野くんまた元気出たよ!」


「いんや、別に俺の方こそ……」


「ん?」


「や、何でもねぇ」


佐野くんはそう言うと私に手をふって

席に戻って行った。


すると、星野くんは教室に入って来た。


「おはよう、星野くん今日は珍しく遅いんだね」


「ああ、ちょっと朝から色々あって」

ん?


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