どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
疲れたような顔を浮かべ、制服をポンポンとはらう
星野くんの服のボタンは第2ボタンが取れていた。
「どうしたのそれ」
「いきなりネコに飛びつかれてボタンは取れるし
尻持ちつくしで大変だった」
「ふふっ、ちょっと来て」
私は自分のカバンから小さなバックを取りだすと
星野くんの手を引いて、すぐ近くの空き教室に向かう。
ガラッと開けてイスに座ると
「直してあげる」
持ってきたッ裁縫道具を開けてそう言った。
「心、直せんの?」
「うん、こういうのは得意だから」