どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


見ちゃいけないやって目を逸らすけど

危ないからちゃんと見てなくちゃって、手元に集中する。


なんか……ドキドキする。

静かになった教室で、そこには私達しかいなくて

変に意識してしまう。

だけど、それは私だけでは無かった。


「聞こえてねぇ?」


「え?」


「俺の心臓の音、すっげぇバクバク言ってんだけど」


ずっと針に集中していたから

彼の顔を見ていなくて、今やっとちゃんと見たら


彼は目を思いっきり逸らして手で顔を隠していた。


「照れ……てる?」


思わずそう言った。

だって耳が赤いから







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