どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「星野くん」

私は彼に話しかけた。


「電話……?」


「ああ、最近ひどい

行けないつーと、体調悪くするから……」


その言葉を聞くとずんっと嫌な感情が落ちてくる。

行けないって言ったら体調を悪くするなんて

仮病なんじゃ。


そんな事を思いたくないのに、心は平気で思ってる。

私って嫌なやつだな……。


「今日の夜……電話して

絶対に絶対に電話してね」


「ああ、分かった」


素直に行ってらっしゃいが言えない。

だけれど、こうやって言えたのはいい方だと思う。


取らないで、なんて彩花ちゃんは言ったけれど

私だってそう思ってる。

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