どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


部屋から出ていく星野くんを見つめ不安気に彩花ちゃんを見る。


「…………」

「…………」


一気に気まずくなって、私は目線をおろした。


「私はね、」

そして、ポツリと彩花ちゃんが話し始める。


「これからも翼の事をここに呼ぶつもりだから

絶対にあなたには渡さない

ムカつくの、何もかも手に入る人が翼のこと取って行くなんて」


やっぱり、そうだったんだ。

彩花ちゃんから許しが出るわけがなかった。


「でも、星野くんは私との時間を大切にしたいって言ってくれた」


強気で言っていい。



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