どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
ドク、ドクと心臓が低く鳴る。
嫌な予感。この雰囲気から逃げ出したくなった。
「翼の父親は7年前事故で母親は5年前病気で亡くなったの」
ずしり、と重たい何かが頭に直撃した気がした。
何で、何でそんな事……
一言もいっていなかったのに。
「母親は翼が部活をしている時に亡くなった
これを聞いたら分かるでしょ?
翼とあなたは違う世界にいる。
翼の痛みはあなたなんかには理解出来ないの
だから教えてもらえなかったんでしょ?
あなたには言う必要がないから……っ!」