どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「ああ。」


彼は私を見て、返事をすると

女子から離れた自分の席に向かって座る。


「委員会って。」


相変わらずクール。

少し髪が跳ねている彼をみながら


「何もないよ。」

と答えると彼はやんわりと笑った。


そんな顔も出来るんだ……。


そしてぶっきらぼうに


「サンキューな」

とつぶやくと顔を逸らした。


「あれ、あれ?

ちょっと珍しいんじゃない?

翼が女子に笑顔を向けるとか」



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