どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「……あれ無くしちゃったの、ごめん
わざとじゃないんだよ本当に
ポケットに入れてたらどこかに行っちゃったみたいなの」
涙を拭きながらそう言う彩花に俺は強く言うことも出来ず
病室を出た。
「明日からは来ないから」
それだけを言って。
ストラップ、どうしよう。
「おーーい!聞いてんのか翼」
すると、渉が俺に話しかけていたようで
俺の顔の前で手をふった。
「あ、悪い」
「なーに、また泣かせたのかよ?
心ちゃんのこと」
渉は最近俺らのことをよく見てる。
何かあるたび察知して話しかけてくる。