どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
*キミを支えたい
私は佐野君と一緒に
屋上の段差に腰掛けた。
佐野くんは屋上についても、何も話さず
黙り込んでいて
少し気まずそうに私から目線を逸らした。
もしかして、私と星野くんの会話を聞いていたんだろうか。
ぐすっ、と鼻をすすると
ついに佐野君は口を開いた。
「翼のこと、許してやってほしい……」
頼み込むように言うその言葉は
なんだか少し苦しげだ。
「アイツ、昔から伝え方が下手くそなんだ……
守りたいって思ったら極端に一緒に居ちまうし
思ったことも上手に言えない」