どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


だんだんと減って行く人達を見ないフリして

私はじっと待ち続けていると1時間たった頃


パチーー


クリスマスツリーの電気は消えた。


イルミネーションはもう、終った。


「心ちゃん、もう……」

「まだだよ、あともう少し待ったらきっと……!」


泣いたりしない。

泣いたらそれを認めたことになる。


「来ねぇよ!!あいつはもう来ねぇ!!」


佐野くんの大きな声にビクリと体を揺らす。

来ないわけなんてないって必死に思っていたのに


その頼りない根拠は誰かの一言によって簡単に崩れてく。




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