どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



分かってあげたいと思う自分と

分かってあげられない自分がケンカをするのは


もう何度目か。


「この日だけは、特別な日だったから

一緒にいたかったよ……」


「ごめん……」


ダメなんだ。

やっぱり自分を見てほしいと思ってしまう。

2番目でいいよって思えたら楽なのに

どうして人は自から辛い道を走ろうとするのだろう。


「…………。」


彼は口数が少ない。

だから言い訳もあまりしなかった。

せめて、今だけはたくさん言い訳してくれたらいい。


目が離せなかったからとか、

彩花ちゃんの方に大事態が起きたとか
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