どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


涙を堪えながらも、星野くんを見ると

彼は言った。


「俺、昨日……彩花とキスした……」


ドクンー


「な、に言ってるの……」


信じられない事実に震える声で聞き返しても

彼は何も言わない。


「ウソだよね……」


「嘘じゃない、」


ただ、そうやって言うだけで

私の顔を見ようとしなかった。


「それだけは、信じてたのに……」


星野くんの言葉だけは、信じでいた。



『星野くんの好きな人は……』

『お前だけ』


そうやって真剣に答える星野くんの言葉も


『いくら大切な存在がいても

お前が俺のプリンセスなわけで……』

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