どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
佐野くんは、お喋りで
しかも教室をふらふらしているから
ずっと自分の席に座っている星野君とは違って
私にも話しかけにくる。
「そんな事してちゃダメだよ
やっぱり人を思うなら一途じゃなくちゃ」
「ふぅん、心ちゃんはそういう派?
どういう系が好みなの?」
好み……って言われても、人を好きになった事がないから
ピンっと来ないけど
「王子様みたいな人がいい……」
「ぶっ!可愛い~心ちゃん~!
王子様?俺なってあげちゃうよ」
これを言うと毎回バカにされるから
もう言わない。って今決めた。