どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「王子様になってあげる気がないならくれよ
俺が心ちゃんを幸せにする」
「…………。」
何も言えなかった。
心の幸せになれる選択が渉といる方なら
そっちの方がいいとさえ思った。
「嫌だくらい言えねぇのかよ!!!」
ドカッー!
頬に鈍い痛みを感じると、ともに
俺は地面に倒れ渉に殴られたのだと気付いた。
「…………っ」
鉄の味が口に広がる。
「お前はもう、王子でも何でもねぇ」
倒れた俺を睨みつけ、そして言う。
「ムカつくからもう1個教えてやるよ
俺はお前のこと、昔っから大嫌いだったんだよ」