どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「正直、こんな気持ちで一緒にいていいのかなって思うけど

佐野くんといると少し星野くんのこと

忘れられるの。

なんだかさ、私佐野くんのこと利用してるみたいで

そのことも全部、佐野くんに話したの。


そしたら、それでいいって……

一緒にいられるならたくさん利用してほしいって言われた」


「な、アイツがそんな事……!?」


優しくて、優しすぎて

どうしてこんなに私を受け入れてくれるんだろうって疑問に思う。


「特別な人が出来ると人は変わるのね」


優しさは、前からずっと変わらない。


だけど私を支えようとする力は

前とは別物だった。


「いいのかな、こんなんで」

< 343 / 422 >

この作品をシェア

pagetop