どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


2人が別れてから3か月が経った。


彼女は翼と別れてから

少し寂し気な笑顔を浮かべるようになった。


前は楽しそうに笑っていたのに

今は微笑むように笑うんだ。


それが俺にとってはすごく辛かった。



時間が解決してくれるなんて言葉は言えねぇな。


「心ちゃん、無理してねぇ?」


毎日の帰宅は俺とする。

それがいつの間にか習慣みたいになった。


たまに、クラスの奴とかに噂されることはあったけど

俺はそれをにらみつけるだけで

何も言わなかった。


「大丈夫だよ、佐野くん」


いつも大丈夫って言うくせに

学校で翼と接点があると彼女は泣きそうな顔をする。


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