どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて

何度も伝えた好き。

私も、と返ってくることはないと分かってても

何度だって伝えたいと思っちまうんだから


恋ってやつは一種の病気みたいなもんなのかもしれない。


「…………。」


あ、今寂しそうな顔をした。


「どうしたの?」

俺がそうやって聞くと彼女は遠くを見つめながら言った。


「いや……好きになったらなんでもできるなら

星野くんは……

私のこと、やっぱり好きじゃなかったのかなって」


しまった。

そう思ったが、彼女も口に出してしまったことを後悔したようで


「あ、ごめん……」

慌ててそう言ってうつむいた。


もう別れて3か月。

時間は気持ちを整理してくれることはない。

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