どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


偶然、教室移動の時に見てしまった告白シーン。

後輩の女の子はとてもかわいい子でいい子そうだった。


「なに心ちゃん!ヤキモチ!?」


おちゃらけてそう言いながら振り向く彼を私は神妙な様子で見る。


「いや、付き合わないのかなって……」


最近の佐野くんは決まって告白を断るらしい。


『ごめん、好きな人がるんだ』


それでもいいから、どうしてもって言われても

絶対に付き合わないらしい。


『大事な人だから、自分の気持ちも大事にしたい』


そういうんだって。


「なんだよ~少しくらい妬いてくれてもいいよなぁ!」

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