どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「だって私……っ」

いつ佐野くんの気持ちに応えられるか分からない。


言葉を詰まらせながら彼をみる。


「期待もさせてくんねぇの?」


「…………っ。」


佐野くんは優しい目をする。

気持ちに応えられなくても一緒にいてくれて

こんなにうじうじしている私にも優しい目を向けてくれる。


「1%でもいい、つか0.05%でもいいよ

俺のこと好きになるかもしれないって気持ちがあるんなら

俺は頑張る」


まっすぐな気持ちで、毎日伝えられる好き。

その好きをかえしてあげられない自分が嫌だった。


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