どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


佐野くん……

私のせいで、いっぱいいいっぱい変わっちゃったのに。


仲良しだった星野くんとだって話さない。

彼は他の女の子を見ることがなくなった。


遊びにも行かないでいつも私のそばにいてくれる。


「ありがとう……佐野君」

精一杯の感謝しか返せない。

だけど彼は嬉しそうに笑うんだ。


それから2人で遠回りをしながら歩いていると

夕焼けが見えてきた。


もうそんな時間か……

そう思った瞬間



息をのんだ。


「…………っ」


少し離れた先にいるのは、確実に星野くんと彩花ちゃんだ。
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