どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


2人は一緒に歩いてる。


嫌だ、嫌だ。

早く離れなきゃ……!

そうやって思った時


ぐいっー

星野くんの襟元を掴み引き寄せた彩花ちゃんは

彼にキスをした。


ズキー

そう……か

あの時も、

クリスマスイブの時も


そうやってキスしたの……?

抑えていた悲しみは何かをきっかけに溢れ出す。


思い出す。

寒かったこと。


思い出す。

それでもくると信じていたこと。


だけど星野くんはもとから来るつもりなんて

無かったんだよね……?


ポタポタと涙が頬を伝って、


「心、ちゃん」

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