どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて




押し返す。



「佐野くん、ごめん……

私やっぱり星野くんが好きだ……」


気持ちは何をしても、絶対に誤魔化せない。

佐野くんに応えようと、

身を委ねた時でさえ浮かび上がって来た星野くんの顔。


あたし、ダメなんだ。

きっと何をしても忘れることなんて出来ないの……。


それならもう、

逃げないでいく。


「無理でいい、振り向いてくれなくていい

私は私の気持ちを大切にする」


自分の気持ちまでも曲げてしまったら

もうそれは自分ではなくなってしまうから。

それだけは、大事にしてあげたい。







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