どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「そっか……それじゃあ仕方ねぇな」
佐野くんは私からぱっと離れた。
「もう言わない。好きだってもう言わないよ」
そう、この日の告白はいつもとは違う。
それを断ったのだから、これから佐野くんとの関係性も変わっていく。
「だから……
友達として側にいさせてほしい」
「え?」
「支えたい、友達として側にいたい」
はっと息をのむ。
まさか、佐野くんがこんなこと言ってくれるなんて。
「でも私は……」
「そうだよ、だから友達として。
気持ちが変わらない、大事にしたいなら
今度は俺も応援する。だから側にいさせてほしい」