どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
*それは物語のように
がむしゃらに走った。
1秒でも早く星野くんに会いたくて、さっきのステージに向かう。
すると、もうそこには星野くんはいなかった。
こんな人混みで彼を見つけるのは不可能だ。
それだったらもう、これしかない。
「すいません、エントリーさせて下さい」
私は、イベントの司会の人に慌ててそう言った。
「はい、松山心さんですね
じゃあステージの上にどうぞ」
もうイベントが終わろうとしていた時だったため
私が最後だった。
「これで最後の人になります
さぁ松山心さん、あなたが思いを伝えたい人は誰ですか?」