どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


ステージで公開告白した私たちの噂は

すぐに広まった。


それは理沙にも伝わり、彼女は涙を流して喜んでくれた。


そう、もちろん佐野くんにも。


佐野君には文化祭の次の日にポンっと頭をたたかれた。


「良かったな」

って彼は耳元で言って笑うから

私は少し切なくなった。


まだ全部、終わってない。

お互いに話すことはなくなってしまった2人の距離を見て

ぎゅっと拳を握る。


「星野くん……佐野くんと、」


「ああ、もう半年も口聞いてねぇ

こんなの初めてだな。


今日話しに行くよ、アイツんとこ」


「うん」

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