どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
大切な存在は絶対に失いたくないんだという
気持ちが生まれた。
だからこそ、人は守ろうとする。
だからこそ、人は強くなる。
渉は俺にとって特別な親友だ。
ただの友達じゃない、特別な親友。
「…………。」
渉はついに口を閉じた。
そこからはお互い、話すことがなくて
無言の時が流れた。
しばらくそうしていた時、
渉は突然言った。
「心ちゃんさ、俺のこと好きなんだってよ
この前言われたし文化祭の時に。」
「…………」
俺は黙って渉の言葉を聞いていた。