どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「じゃあ彼氏になるのも俺でよくね?
って思ったんだけど、それはお前じゃないとダメなんだって」
心のことも、たくさん傷付けた。
もう絶対に気付けてはいけないと思う。
「なんかさ、強いよな心ちゃんって。
あんなにたくさん泣いてんのに
俺のこと押し返すんだもん。
流れてくんねぇの。
絶対俺といる方が幸せだろって思ったんだけどな
俺は心ちゃんの王子様になってやれなかった。」
「…………。」
少しの沈黙に、風が吹く。
俺たちの間をひゅっと通っていく。