どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


え……っ。


「ツリーもない、

寒くもない。ムードもないけど

やり直させてほしいんだ……」


あの日の事を思いだす。


寒くて、悲しくて

絶対に来ると言い聞かせていたけれど


彼は来なかった。


「あの日、行かなくてごめん

約束破ってごめん」


必死に謝る彼の手を強く握る。


あの時は、寒かった。

悲しかった。


だけど今は星野くんがここにいる。


寒くもないし、苦しくもない。

大好きな人がすぐ目の前にいる


幸せなとき。


「もう1回デートしよっか翼くん」


私は笑顔でそう言うと、星野くんは


「ありがとう」

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