どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


そんなことを思いながら、また彼に視線を戻すと彼はウワサされているとも知らずまだ眠っていた。


まぁ、顔を伏せていれば女子達も寄ってこないしね



『だって気になる存在ではあるでしょ?』



はっーー

気付いたらそんなことを考えている私は


やっぱり理沙の言うとおり、星野くんのことを気になる存在だと思っているんだろうか。


「気になる……か」


ぽつりとつぶやいた言葉はクラスのうるささによってかき消され


誰の耳にも届くことはなかった。

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