どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて



「へぇ~じゃあすげぇもん作ろうぜ!!」

佐野くんは楽しそうに言う。


「てか、あんた料理出来るの?」

「全然。」


だと思った……。


「星野くんは?」


理沙がそうやって聞くと、星野くんの代わりに佐野くんが答えた。


「コイツは全然、俺よりダメだよ

不器用だから」


へぇ……不器用なんだ。

星野くんも反論しないから自分でも意識はあるんだろう。


そうなると……


「この中で料理出来るのは、心、あんただけね」


中学の頃、家庭科で野菜を切るのも失敗していた理沙に期待は出来ない。


「「頑張れ~」」
< 71 / 422 >

この作品をシェア

pagetop