どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「え、そんないいよっ!

私は別に見てるだけで……」


「そんなのダメだよ!せっかく気付いた初恋なんだから

なんとしてでも叶えなきゃ」


そう言うと理沙は鼻歌を歌いながら戻って行った。


初恋が星野くん……。


初めて気付ちはぽわぽわと暖かいけれど

正直自分が星野くんと付き合えるなんて想像も出来ない。


そんな風に思っていると、授業はいつの間にか始まっていたようで


「おい、松山聞いてるのかっ!」

私は数学の先生に注意をされた。


「す、すいませんっ」


慌てて謝るけれど相手が悪かった。

数学の先生はよりによって鬼教師。


「よし、じゃあ宿題はやって来たんだろうな

黒板に答えを書いてみろ」


「はい……」

顔をうつむかせながらのノートを持って行こうとすると


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