ジュエリーボックス
ex-1.序章
もしも、地球という惑星がひとつじゃなかったら?
もしも、地球の時列と並行する別の世界があったとしたら──?
小さい頃から、無意識にそんな夢物語を考えていた。
私は今いる"この場所に"特別不満がある訳でもない。
生きていれば辛い日もあるし、哀しい事の割合は楽しい、嬉しい、よりも余程多い。
笑う日より泣く日の方が多い、なんて悲観的に考える暇もなく毎日は流れ去って行く。
過ぎた毎日はゴミ箱に棄てられてしまうのか、ジュエリーボックスに入れられるのか。きっと、誰もが分別をしながら生きていて。
人と人との繋がりも、そう。出逢って、離れて、くっついて、別れて──…
「会えなければ死んでるのと同じだよ」と言う人もいれば、
「生きていれば必ずまた会える」と信じる人もいる。
人間って、不思議だ。
沢山の人間が溢れているのに、生涯で出逢うのなんて一握り。
記憶に遺る人となれば、更にふるいにかけられる。
最終的には価値観や生き方によって、精神的に振り分けられるのかもしれない。
卑屈になる日も、項垂れる日もあるけど…私は、ひとりじゃないから。
親友がいるから、仲間がいるから、…アイツが、いるから。
私は"今の瞬間"を大切に生きたいと思う。
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