ジュエリーボックス
ex-3.強制収容


それから暫く経って、ある日の清々しい朝。

新たな生徒会役員が決まり、お披露目会という名の全体朝礼の日。私達"チーム宇宙"は駆り出しに遭っていた。


「…なんで私達まで…」


美月が戸野先輩に勧誘された後、何故か悠介や頼人、挙げ句の果てには私にまで白羽の矢が突き刺さり──なんと、四人共々生徒会役員に抜擢されてしまった。


「宜しくね、美月ちゃんに声を掛けてよかった」


三年、生徒会会長の戸野晴生先輩。近くで見ると笑顔が眩しすぎて倒れそうになる。


「今年は賑やかになりそうでいいわね!」


二年、副会長の湯浅深雪(ゆあさ みゆき)先輩。

こんなに美しい人が一般人なのかと疑う程に際立っている。

しかもこの学校の生徒会役員に一年が四人、というのは極めて稀な事なのだと聞いた。

…人生とは本当に想定外なものなのだと実感する。


「あの…私達、入学したばっかりだし学校の事、何にも知りませんけど」

「気にしなくていいよ、これから覚えればいいし」


恐る恐る訊ねると、爽やかな笑みで返される。


「棋士くんは生徒会長の経験あるって聞いたけど」

「あ…そういや中学ん時押し付けられて一年だけやりました俺」

「あたしだけやるの嫌だからみんなを推薦しましたー!」

「なんで地味キャラの俺まで…」

「心配しなくてもある意味一番派手だよ、頼人くんが」


…悪気のない美月が一人で役員をやるのが嫌で巻き込まれた私達、という構図、で、マル。


< 13 / 69 >

この作品をシェア

pagetop