ジュエリーボックス


騒がしい掲示板の前。ボードの角が太陽の光に照らされて、白く反射する。

真新しい制服。なにもかもが、新品だらけの四月。

人波の中、見上げて精一杯背伸びをして、首筋と足のつま先が痛くなったところで名前を発見。


「あー、またお前と同じクラスかよ」

「は?こっちの台詞ですー!偉そうな口きくなよ、アホライ」

「眼留、スカートん中からパンツ丸見え。捲れてる」

「…げっ!?」

「ぎゃはは、眼留らしいなー」


私逹、本日から高校生という括りになりました。

新学期。1年1組、出席番号、共に1番。

私、愛瀬眼留(あいせ める)と、腐り切った根性の幼馴染み──藍川頼人(あいかわ らいと)。

そして、私の親友の如月美月(きさらぎ みづき)と頼人の親友の棋士悠介(きし ゆうすけ)。

奇しくも出席番号繋がりの四人組。幼稚園時代からの付き合い──…いわゆる、腐れ縁。

好きで一緒にいる訳じゃない。そんな憎まれ口も不自然になってしまう程に、素でいられる仲間。


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