ジュエリーボックス
「俺、"お前に"惚れてるから。付き合え」
「え…、ちょっ…!」
悠介と頼人の目の前で私を抱き締める反地球の頼人。恥ずかしいやら訳が解らないやらで、頭が真っ白になる。
数秒後、間抜け面だった頼人が我に返ると、もう一人の自分に詰め寄った。
「こんな女のどこがいいんだよ、もうひとりの俺!」
「おい、頼人。落ち着けって」
「眼留もふざけんなよ、何で"俺"とイチャついてんだよ!あー、気分が悪い!」
悠介が宥めるのも聞かずに言い放つ頼人。それに反して、今度は悠介が反地球の頼人に詰め寄る。
…そして、信じられない事を言い放った。
「あのさ、悪いけど俺も"この"眼留が好きだから」
「…へぇ、悠介もね」
「俺は頼人になら眼留を譲っても良いと思ってたけど…"こっちの頼人"には嫌だ、負ける気もしねぇ」
バチバチ、と火花が散りそうなぐらいに睨み合う悠介と反地球の頼人。
…この二人、雰囲気が似てる。