ジュエリーボックス
「頼人と同クラなんて…呪われてるとしか思えないんだけど」
「家が隣の時点でもう悪夢だろ」
「それ言っちゃう?」
「もう、運命って言ってよー」
四人全員、家が隣接している同級生であり、クラスは違っても昼や休み時間はいつも一緒。
悪戯なのか偶然なのか、幼稚園の頃からシンクロ率は抜群。
『なぁ見ろ、新発売のミントス!カシス味だって!』
『…げっ、私も今朝買ったし!』
『あ、あたしも!』
『俺、美月にもらって今食ってる』
…みたいな偶然がもの凄く多い。
双子じゃなく四つ子じゃないかって、周りの人に散々冷やかされるくらい。
「ほんっとに…腐れ縁だよね」
「本当にな」
「びっくりしちゃうけど嬉しいね」
「ま、これからも変わらずにいこうぜ」
中学の時と変わらず、一緒。
しかも四人で同じクラスなんて、入学早々良い予感。
…今年もまた、よろしくね。
素直じゃない私は、心の中で小さく呟く。
なんだかんだで、最高の友情が続くこの関係に感謝している。
"チーム宇宙"
そのネーミングが何を意味するかなんて、この時はまだ全く知りもしなかったのに──。