ジュエリーボックス
「…あー、今日は休み、だよ」
「休み?じゃあ、家に帰れば自分が見れる?」
「いや!休みじゃなくて、お前…、もごっ」
「頼人!しーっ!」
「…?私、クラス見に行きたいんだけど!別世界なんて滅多に来れないかもしれないじゃん」
頼人が何か言おうとしたのを必死で止めた悠介を横目に首を傾げながらも、興味津々な私。
頼人逹が渋い顔をする。
少し考えた後、眼留が見たいっつーんならいいんじゃねーの、と不良の方の頼人が立ち上がる。
飯食いに行こうぜ、と聞いて思い出した。途端に再び鳴り出したお腹の虫。
今は昼休みだった。
「誰、あの女!」
「なんで藍川くんと騎士くんと一緒にいる訳?狡い!」
「ね、隣にいる男の子頼人くんに似てない?親戚とかだったりして!」
学食に四人で来た…のはいいんだけど、女の子逹からの視線が痛い。
頼人が二人いたらマズいっていう事でアホ面の頼人がギャル男風に前髪を縛って、不良の頼人から借りたアクセサリーをつけてるんだけど…人間、髪型と装いを変えるだけで印象が変わるもんだ。
正直、面白い。
見る度に吹き出しそうになる。悠介も、笑いを堪えている。
「さっきから何笑ってんだ、お前ら!」
「だ、だって…ギャル男」
「普段、お前腰パンなんかした事ねぇのに」
いつもシャツの第一ボタンまできっちりと閉めているような奴が不良の真似をしてみても、違和感がありすぎる。