ジュエリーボックス
『ブス眼留』
ふいに、頼人の顔が浮かぶと頭にくる。優しい悠介とは反対に、ヤツは口が悪い。
悠介は、高校に上がって更にイケメンになった。浮ついてもいないし、もの凄くモテるのに誰かと付き合ったっていうのもないし。
…なんだかんだで、頼人もモテるのが悔しいけど。
性格も顔も雰囲気も独特なアイツが好かれる理由。
(私以外の女の子には優しいんだよなー、アイツ…)
荷物を持ってあげたり、授業中に雑談したり…対する態度が全く違うから、私は完全に女として見られていない。
(…ま、いいんだけど)
これ以上考えないように、思考をずらそうとして、失敗。頼人が早速ラブレターをもらっていたのを昨日、見てしまったからだ。
(告白は断ったらしいけど…頼人も悠介も、いつまでもフリーでいなくてもいいのに)
(…頼人は学校に気になる子…いないのかな)
アイツは『どうせ悠介の方がモテるし』なんて、いつも言うけど。…私なんて、生まれてから一度も告白なんてされた事がない。
頼人も悠介も美月もモテるのに…私なんかみたいな凡人以下の奴が幼なじみをしていて良いのだろうか、と考えてしまう事も増えてきた。
「…はー、私なんかがなー」
「お前また百面相やってんの?」
憂鬱に浸っていたら、ひょっこりと顔を覗かせた頼人。
…出た。
もはや我が家のように上がり込む、"チーム宇宙"。