アニキのトモダチは王子様
ファンじゃないけど。
みんながあこがれる気持ちは、わかる。
だって、目の前にいる井坂さんは、とっても優しい笑顔だから。
……あれ?
「でもアニキ、たしか朝、人間不信って……」
「ばか、るぅ」
口を滑らせた私の口を、アニキがちょっとあわてたように手のひらでふさぐ。
「へーぇ?俺のこと、人間不信って?」
え?
井坂さんが、アニキを見る。
笑っているけど、笑い方が、全然違う。
ちょっと、かなり、コワい。
「ち、ちょっとまてって、ケイ。モノは言いようっていうか、たとえっていうかさ」
「おまえ、そんなふうに俺のことみてたんだ。俺はこんなに、お前のこと信頼してたのに」
「目が笑ってねえって!」
「笑えるわけないよなぁ?マコト?」
「痛い!いててて、悪かったって!」
井坂さんに、こめかみをぐりぐりされて、アニキが痛がって声を上げる。
二人の様子を、私は、唖然としてみていた。
井坂さんって、こんなに、フツウな感じなんだ。
私の目に気づいた井坂さんが、アニキから手を放す。
「あ、ごめんね、放っといちゃって」
「ううん」
首を振って、私は笑った。
「アニキと、ほんとに仲いいんだね、井坂さん」
いい人なんだろうな、って、思う。
だって、アニキが井坂さんといると、楽しそうだから。
アニキはいつだって楽しそうだけど。
でも、気を使っているときと、自然にしているときの違いくらい、分かる。
アニキのこと、ずっと見てるから。
井坂さんが、私を見て、ちょっと驚いたように、笑う。
アニキに見せるのとは全然違う、王子様の、笑顔。
「瑠海ちゃんは、マコトのこと、好きなんだ?」
「うん。大好き」
みんながあこがれる気持ちは、わかる。
だって、目の前にいる井坂さんは、とっても優しい笑顔だから。
……あれ?
「でもアニキ、たしか朝、人間不信って……」
「ばか、るぅ」
口を滑らせた私の口を、アニキがちょっとあわてたように手のひらでふさぐ。
「へーぇ?俺のこと、人間不信って?」
え?
井坂さんが、アニキを見る。
笑っているけど、笑い方が、全然違う。
ちょっと、かなり、コワい。
「ち、ちょっとまてって、ケイ。モノは言いようっていうか、たとえっていうかさ」
「おまえ、そんなふうに俺のことみてたんだ。俺はこんなに、お前のこと信頼してたのに」
「目が笑ってねえって!」
「笑えるわけないよなぁ?マコト?」
「痛い!いててて、悪かったって!」
井坂さんに、こめかみをぐりぐりされて、アニキが痛がって声を上げる。
二人の様子を、私は、唖然としてみていた。
井坂さんって、こんなに、フツウな感じなんだ。
私の目に気づいた井坂さんが、アニキから手を放す。
「あ、ごめんね、放っといちゃって」
「ううん」
首を振って、私は笑った。
「アニキと、ほんとに仲いいんだね、井坂さん」
いい人なんだろうな、って、思う。
だって、アニキが井坂さんといると、楽しそうだから。
アニキはいつだって楽しそうだけど。
でも、気を使っているときと、自然にしているときの違いくらい、分かる。
アニキのこと、ずっと見てるから。
井坂さんが、私を見て、ちょっと驚いたように、笑う。
アニキに見せるのとは全然違う、王子様の、笑顔。
「瑠海ちゃんは、マコトのこと、好きなんだ?」
「うん。大好き」