シークレット・ガーデン


「お父さんが、『まともに就職も出来ないやつが何言ってんだ!』なんて、貴文に言うもんだから、貴文も怒っちゃって。

貴文も貴文で、『お前の時代とは違うんだよ!サラリーマンなんて犬と同じなんだよ!』ですって。

売り言葉に買い言葉でそれから、しばらく怒鳴り合い。
もう、ご近所に聞こえてるんじゃないかって、心配で心配で……」



真彩は、ふう、と溜め息を吐いた。



「おとうさんとは全然会話なんてしてない癖に、そんな時だけ頼るのが、甘ったれの貴文らしいね。
それはそうと、援助って一体いくらなの?」


「100万だって…後は自分の貯金から出すからって。

やりたいことやらせてやりたいけど、素人がそんなバーだなんて、失敗するに決まってるわよ…」


母は、眉を歪ませた。

二人の間に挟まれ、苦悩している様子に真彩は母が可哀想になってしまう。


そんなところに、娘である自分が理亜を連れて帰ってきたら、両親はダブルパンチのショックを受けてしまう。






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