シークレット・ガーデン


近所の梅の木が綺麗に花を咲かせ、季節は少しだけ春の気配がしてきた。


巷では、インフルエンザが猛威を震っていた。

その為に乳飲み子を抱えた真彩は、必要最低限の買い物以外には、ほとんど外出出来ずにいた。


妊娠6ケ月の頃から、真彩は駅前にあるスイミングスクールのマタニティクラスに通った。


幼稚園年長の頃から小学6年までの約7年間、水泳を習っていたから、水の中の運動は得意だ。


そこで仲良くなったマタニティママたち3人と、春になって暖かくなったら、皆で集まろうねと約束をしていた。


皆、アラサーで新婚に近い子たちばかりだ。


スイミングの後は、必ずドーナツ屋に寄って、ドーナツ片手に、旦那の愚痴や生まれてくる子供の名前、自分のやっていた仕事のことなどいろんなことをお喋りした。


…でも、妊婦にドーナツはやばかった。


真彩は中肉中背の体型で、そんなに太りやすくもないはずなのに、妊娠してから、どんどん太り出した。


甘いものが大好きな真彩は、ドーナツ屋に行けば我慢出来なくて、2,3個ぺろりと食べてしまう。

…砂糖たっぷりのカフェオレと一緒に。






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